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11/3の日記

折原昌夫というプロレスラーは本当は暴力が嫌いで動物を愛する優しい性格であったのにも関わらず悪役レスラーを演じなければならないというギャップによって精神をアレして試合が出来なくなってしまったのだけど(後に復帰)、かように意に染まぬことをやり続けることは人に多大なストレスを与えるもので、その点では程度の差こそあれ「死んでくれ」と思いながら「お世話になっております」と言ったりしている我々会社勤めの人間にとっても他人事ではない。 

ということで日々の労働で溜まったストレスを解消すべく美味い飯でもしばき回したると意気込んで道中で拾った振ると風を切るいい音がする棒を振り振り訪れたランチ三千円也の串揚げ屋は臨時休業だった。そのまま美味いもん食わずに帰るのも悔しく、代替案としてそこからすぐ近くにある有名なうどん屋に行くことにした。 

到着すると開店時間から間もなかったにも関わらず、すでに店外に十余名の行列が出来ていたが、うどんなんて二度ほど吸(す)ったら終(しま)いだろうと思い並ぶことにした。ところがこれが大きな間違いで、待てど暮らせど列は進まず、そういう時に限って手ぶらで暇つぶしも出来ず、全てを店内にいるパンサーの変な髪形のやつと同じ髪型の店員のせいにして殺す殺すと思いながらガラス越しに睨み続けて九十分ほど経った頃ようやく店内に入ることが出来た。 

着席できたのはいいが、うどんはなかなか来ないし、向かいの席に座っていた大して見目良くもない女(女性ではなくあえて女と表記する)二人組が、カレシが携帯電話のカバーを買ってくれたのだが普段自分が携帯電話を伏せて置いていることから画面をあまり見られたくないのだろうと思料して手帳のようなフタが出来るタイプを選んでくれて細かいところも見ているのだなあと感嘆した、だとか既婚者の男性に好意を伝えられ「ちゃった」だとか、他人からすればクソほどもどうでもいい惚れた腫れたに関する自慢話を臆面もなく大声で繰り広げていたので死んでくれという気持ちがパンサーから完全にシフトした。自分が女性だったらお前らみたいなやつのせいで女がバカにされるのだと憤ったと思う。

彼女たちの席からならいまだに途切れない外の行列は見えているはずなのに「ちょと並ぶけど良いお店だよね~」なんつってペチャクチャやり続けてたまに思い出したように麺をチロチロ舐めるばかりでうどんは一向に減らない。佐野実みたいな店主が出てきて黙って食えと叫んでバケツで水をぶっかけてくれないものかと思った。こないだの高校卒業して十五年後の同窓会でどうしたとか言っていたのでたぶん三十三歳くらいのはずで、ニホンザルなら死んでる歳だ。エサすぐ平らげるからサルの方が幾分マシか。 

うどんは麺が固めの丸亀製麺という感じだったので二度と行かない。